概要
ビットコインは2025年10月2日16:05 UTCに12万ドルを突破し、8月中旬以来の高値を記録しました。中央集権型取引所の先物未決済建玉は326億ドルの史上最高値に達し、トレーダーたちが期待する歴史的な強気の10月ラリーに向けたディーラーや機関投資家の強いポジションを示しています。米国政府の閉鎖による不確実性がETF申請の審査を停止させており、資金流出の遅延を招く可能性があります。一方で、アルトコイン市場は今後のアルトシーズン到来の期待からセンチメントが高まっています。
市場動向
直近5日間でビットコインは、9月末の11万5000ドル付近から着実に上昇し、12万ドルの壁を突破しました。アナリストはこの動きを、四半期後半に見込まれる連邦準備制度の利下げ予測や高水準の金価格など、楽観的なマクロの追い風によるものと分析しています。これにより、小売および機関投資家の間で「貨幣切り下げ取引」の物語が再燃しています。オンチェーンデータはウォレットへの資金流入増加とマイナーの保有高増加を示しており、多様な市場セグメントからの買い圧力が重なっていることを示唆しています。
デリバティブ指標
未決済建玉の総額を示す先物オープンインタレストは、24時間で12%以上増加し、史上最高の326億ドルに達しました。トレーダーはレバレッジのかかった強気ポジションを積み上げています。主要な永久スワップ市場のファンディングレートは大幅にプラスに転じ、ロングポジションがショートへのプレミアムを支払っている状況を示しています。この乖離は、ショート契約が解消され強い上昇トレンドのスポット市場が形成される潜在的なショートスクイーズを示唆しています。
マクロおよび規制要因
2025年10月1日に始まった米国政府閉鎖により、証券取引委員会(SEC)を含む複数の規制機関の業務が停止され、スポット暗号資産ETF申請の審査が遅延しています。財務長官スコット・ベッセントはGDPへの影響を警告し、ビットコインなどデジタルゴールド代替資産へのセーフヘイブン資金流入を促しています。一方、今月末にSECの回答期限を控えた十数件のアルトコインETF申請があり、新興の規制された暗号資産ファンド市場に注目が集まっています。
アルトコインシーズンの見通し
ビットコインが注目を集める中、大型アルトコインも上昇しており、とくにドージコインは約3%の値上がりを見せました。カナリーキャピタルのアナリストは、ライトコインETFの回答期限が10月2日から24日までに迫っており、審査が再開されれば広範なアルトコインシーズンの引き金になる可能性があると指摘しています。ビットコインの上昇に並行して、主要20銘柄を追跡するCoinDesk 20指数も1.5%上昇しました。
展望
トレーダーは12万5000ドルの重要なテクニカル抵抗と13万ドル付近の心理的抵抗を注視しており、10月の季節性がさらなる上昇を支えています。12万ドルをしっかり維持できれば、月末までにビットコインは数年ぶりの高値を試す可能性があります。しかし、政府閉鎖の長期化や不利なマクロデータが勢いを停滞させるリスクがあり、このラリーはファンダメンタルズの要因と継続的なデリバティブのポジショニングに左右されるでしょう。
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