2025年8月22日、台湾の士林区検察庁は、組織的犯罪、詐欺、マネーロンダリングの疑いで14名を正式に起訴しました。当局はこれを国内史上最大の暗号資産マネーロンダリング事件と位置付けています。被告らは「CoinW」および「CoinThink Technology Co., Ltd.」というブランド名の下で複雑な詐欺ネットワークを構築し、フランチャイズ料の投資や現金自動預け払い機の設置で被害者を誘引したとされています。
検察は、2024年から2025年中頃にかけて、グループが計1,539名の被害者から合計12億7,500万台湾ドル(約3,980万米ドル)相当の前払フランチャイズ料を詐取したと主張しています。その後、犯行収益をUSDT、非公開のビットコインおよびTRXに換金し、地元の暗号資産取引所BiXiang Technologyを通じて海外口座へ資金を送金しました。捜査で入手した銀行記録には、追加の現金引き出しや高級資産の購入も明らかになっています。
資産差押えおよび没収請求
起訴状は、凍結された残高を含むUSDTや暗号資産ウォレット、313万米ドルの銀行預金および高級車2台の押収を求めています。検察が裁判資料と共に公開したマネーロンダリングのフローチャートは、ブロックチェーンエクスプローラー上で取引の痕跡を隠すために用いられたレイヤリング手法を示しています。主犯格の施奇仁は起訴され、操作の指揮を執ったとされ、当局への協力を拒否しています。彼には最大で25年の刑が科される可能性があります。
捜査および法執行機関の連携
複雑な捜査は4月の逮捕者から始まり、台湾の金融監督管理委員会、地元の法執行機関、ブロックチェーンフォレンジクス企業の協力によって進行しました。検察はネットワーク分析ツールを活用し、トークンの動きを追跡し仲介ウォレットの特定を行いました。今後の裁判で資産回収の範囲や国内の進化するデジタル金融体制におけるAML規制の適用が決定されます。
この事件は世界中の規制当局や法執行機関が暗号資産を利用した金融犯罪に対処する上での継続する課題を浮き彫りにしています。台湾の積極的な法的対応は、無許可デジタル資産サービス事業者への監視強化を示し、暗号資産分野における強固な消費者保護措置の必要性を強調しています。
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